某企業VIP宿泊施設にて製作したアクリルシェード"MINAMO shade”が、
JID AWARD 2021のネクストエイジ部門において『部門賞+有井淳正賞』を受賞いたしました!↓↓↓
■審査講評(有井淳正氏よりすてきな講評をいただきました)
提案・試作作品を表彰するネクストエイジ部門賞だからこそ、私たちは挑戦的であるかどうかをクライテリアとして審査を行いました。MINAMOshadeは、照明器具のようでもあり、鏡のようでもある、既存の空間言語にはない要素を空間の中に違和感なく挿入し、外部と内部の関係を揺ざぶる大変美しい作品です。
JID AWARD 2021 (jid-award.com)
JID AWARD 2021 入賞作品 - 公益社団法人日本インテリアデザイナー協会|JID
MINAMO shade
MINAMO shadeは、特別なダイニングシーンのためのアートワークである。人工光/自然光を受けて、両者のいずれとも異なる新しい質感の光をもたらす。
水面(みなも)を“透過”し、静けさの中にぼんやりとした明るさをもたらす光。水面に“反射”し絶えずちらちらと揺れ動く光。水面を手掛かりに、2つの要素を併せ持つ光の空間演出を目指した。
MINAMO shadeのフォルムは方向性を持たない円形とし、試作品を用いて4種類のサイズと吊り高を決定した。周囲のライトとの位置関係を検証し、テーブル面にほぼ均一な照度を確保すること、また座った人物の顔に不穏な影を出さないことに配慮した。
素材は、透明感があり軽量で加工性に優れることから、やや水色がかったアクリル板を選択し、くっきりとした輪郭を出しながら軽やかさを持たせるため、厚さ8mmとした。
透過光については、MINAMO shadeに照射された光をやわらかく拡散させるため、光を受ける水平面に、濃淡とゆらぎのある木目調の半透明フィルムを貼っている。
反射光については、硬質な煌めきを放つよう上面または下面のエッジにテーパーをとり、その部分を磨き仕上としている。テーパーは、波紋の残像を想起させるような動きのあるデザインとした。
さらに水面の光の動きを追求し、MINAMO shadeがゆったりと微かに揺れるよう、0.8mmのワイヤー3本を上部で1本に束ねて吊っている。水平部を3点で支持することによって、テーパー部がバランスをとろうとして微かに回転を伴った揺れを生じる。
静と動、透過と反射、やわらかさと硬さ—MINAMO shadeによって、それらは微妙なバランスを保ちながら共存し、人工とも自然ともつかぬ不思議な光の空間を創出している。