12/6-8 施設リノベーションEXPO“建築家の相談コーナー”に出展いたします!
お時間のある方はぜひお立ち寄りください。
・展示会名 :施設リノベーションEXPO
ジャパンビルド-建築の先端技術展- (japan-build.jp)
・会 期 :2021年12月6日(月)~12月8日(水)
・会 場 :東京ビッグサイト
・アクセス :国際展示場駅よりすぐ
・会場案内図 :小間番号 K-6
12/6-8 施設リノベーションEXPO“建築家の相談コーナー”に出展いたします!
お時間のある方はぜひお立ち寄りください。
・展示会名 :施設リノベーションEXPO
ジャパンビルド-建築の先端技術展- (japan-build.jp)
・会 期 :2021年12月6日(月)~12月8日(水)
・会 場 :東京ビッグサイト
・アクセス :国際展示場駅よりすぐ
・会場案内図 :小間番号 K-6
風情、風合い、風格
大宮氷川神社の参道は約2㎞あり、日本一長い参道と言われる。けやきを中心とした樹木が約700本、壮大な並木空間を構成し、大宮駅至近とは思えない静けさと清々しさに包まれた緑豊かな参道沿いにその建築はある。
オーナーは、この地で長年にわたり釜めし店を営んでおり、全国からファンが訪れるほどの人気店であった。今回、2階建ての釜めし店を建替え、1階にオーナーの飲食店、2・3階にテナントが入る新たな商業ビルとして生まれ変わった。
設計にあたり、この稀有な敷地のポテンシャルを最大限に引き出すため、三つのイメージ―風格・風情・風合いの実現を目指した。
風格-
参道は特別な空間だ。目には見えない大きな力によって守られている―その神聖な領域に対し、建築は一歩下がって控えめに、そして風格を持った存在であるべきだと考えた。十分な引きを持たせて連続する植栽を配したアプローチは、店舗への期待感と、参道への敬意の表現とを両立している。
この形態に至るまでに、建物の”顔”を参道に向けて良いか否か、氷川神社との協議を重ねた背景がある。最終的に、参道に対し開きすぎず閉じすぎない佇まいが評価され、参道沿いの店舗の良きモデルとして許可を得た。結果、この建物の外観を特徴づけている2~R階のコンクリート庇は、参道交差点に近い建築コーナー部を意識したL型サッシと呼応し、商業ビルとしての視認性を高めると共に、けやき並木に手を差し伸べるテラスとしても機能している。
風情-
この建築には、自然の経年変化や個性が際立つ”面白いモノ“と、整った形態で精度を極めた”端正なモノ”が対比的に配されている。
例えば1階のオーナー店舗には、木目下がり天井の直線ラインと、岐阜の職人による整形なセラミックタイルのカウンターが空間に緊張感を与える一方で、近傍の製材屋で見つけたややクセのあるモンキーポット板を活かした造作テーブルが並ぶ。入口付近の目隠しは、自然な曲がりを持った木の姿をそのまま象った突板柱であり、節に紅色を入れたのはオーナーのアイディアだ。
オーナーが客と対話するその背面の小さな庭には、寄り繰りの植栽だけでなく、オーナーがいつかどこかで出会った瓦や灯籠、石が息づいている。
風合い-
外装材の選定においては、並木の木漏れ日の陰影と普遍性を表現するため、クラシックなスクラッチタイル4色を1:1.5:3.5:4の割合でランダムにミックスした。
コンクリート庇の荒々しさもそのままに、低層部の石積みには自然の風合いを残すようにしている。1階の製作スチールサッシ、ムラのある赤錆風塗装鉄板が、新築でありながら、ずっと前からこの地にあったような風合いを醸し出している。
某企業VIP宿泊施設にて製作したアクリルシェード"MINAMO shade”が、
JID AWARD 2021のネクストエイジ部門において『部門賞+有井淳正賞』を受賞いたしました!↓↓↓
■審査講評(有井淳正氏よりすてきな講評をいただきました)
提案・試作作品を表彰するネクストエイジ部門賞だからこそ、私たちは挑戦的であるかどうかをクライテリアとして審査を行いました。MINAMOshadeは、照明器具のようでもあり、鏡のようでもある、既存の空間言語にはない要素を空間の中に違和感なく挿入し、外部と内部の関係を揺ざぶる大変美しい作品です。
JID AWARD 2021 (jid-award.com)
JID AWARD 2021 入賞作品 - 公益社団法人日本インテリアデザイナー協会|JID
MINAMO shade
MINAMO shadeは、特別なダイニングシーンのためのアートワークである。人工光/自然光を受けて、両者のいずれとも異なる新しい質感の光をもたらす。
水面(みなも)を“透過”し、静けさの中にぼんやりとした明るさをもたらす光。水面に“反射”し絶えずちらちらと揺れ動く光。水面を手掛かりに、2つの要素を併せ持つ光の空間演出を目指した。
MINAMO shadeのフォルムは方向性を持たない円形とし、試作品を用いて4種類のサイズと吊り高を決定した。周囲のライトとの位置関係を検証し、テーブル面にほぼ均一な照度を確保すること、また座った人物の顔に不穏な影を出さないことに配慮した。
素材は、透明感があり軽量で加工性に優れることから、やや水色がかったアクリル板を選択し、くっきりとした輪郭を出しながら軽やかさを持たせるため、厚さ8mmとした。
透過光については、MINAMO shadeに照射された光をやわらかく拡散させるため、光を受ける水平面に、濃淡とゆらぎのある木目調の半透明フィルムを貼っている。
反射光については、硬質な煌めきを放つよう上面または下面のエッジにテーパーをとり、その部分を磨き仕上としている。テーパーは、波紋の残像を想起させるような動きのあるデザインとした。
さらに水面の光の動きを追求し、MINAMO shadeがゆったりと微かに揺れるよう、0.8mmのワイヤー3本を上部で1本に束ねて吊っている。水平部を3点で支持することによって、テーパー部がバランスをとろうとして微かに回転を伴った揺れを生じる。
静と動、透過と反射、やわらかさと硬さ—MINAMO shadeによって、それらは微妙なバランスを保ちながら共存し、人工とも自然ともつかぬ不思議な光の空間を創出している。